慣用表現の語源

塾長ブログ

どーでもいいことだとよく言われます・・・

私はちょっと(どころじゃなく)変わってる人間らしく、変な行動をとると言われることが多々あります。
今日の話題は別に変じゃないと思うのですが、よく変だと言われるのでネタにしてみようと思いました。

日常で使う挨拶や決まり文句ですが、よくよく考えると意味の分からないもの多くありませんか?

あ・・・変なのがはじまった・・・

だって・・・不思議じゃない?

朝の挨拶『お早うございます』
なにが早いんですか?

昼の挨拶?『今日は』
??今日がどうかしたんですか??

夜の挨拶『今晩は』
だから・・・夜がどうしたって言うんですか・・・

別れの挨拶『然様なら』
意味不明です

帰宅時のあいさつ・すぐ行きますの時に使う言葉『只今』
これはなんかわかる気がします。

やばい・・・考え始めたらどんどん増えていく。

どーでもいいじゃないですか・・・

寝るときの挨拶『おやすみなさい』
お休み+なさい(命令形)自分が寝るときに言うのに人に命令??

ちょっと止まらなくなってきましたが、調べてみたいと思いってしまいました。

日常挨拶・慣用表現の語源

『お早うございます』

これは知っている人も多いかもしれません。
もともとは歌舞伎の舞台裏の挨拶らしいですが、準備のため早く出勤してきたスタッフをねぎらうために使われた「お早いお着きでございます」が変化したもののようです。
別に朝の挨拶に限ったものではなく、現代でも夕方から始まる職種などでは夜でも『お早うございます』と言っています。

『今日は』『今晩は』

この二つは国語の授業で取り上げましたので皆さんご存じでしょう。
こんにちは、良いお天気で気持ちが良いですね・・・
こんばんは、お忙しい中来ていただきまして・・・・
などの表現の省略形です。
またこれは調べて分かったのですが、明治のころの学校の教科書に「こんにちは」と言う省略形が書かれたことから全国的に広まっていったようです。
となると、おそらく「こんばんは」も同じ時期に広まっていったのでしょう。

また要らんことを考えてしまいました。

こんにちは、今日はいい天気ですね!

↑これ日常で普通に使う表現ですが、冷静に考えると意味不明です。
こんにちは自体がほんらい「今日はいい天気ですね」などの省略形ですので、全く同じことを2回続けて言っていることになります。

まさに「鳥バード」や「犬ドッグ」と言ったお笑いキャラのようです。

然様なら(左様なら)

これは全く知りませんでした。
「然様(左様)ならばお別れですね」の省略形だそうです。
左様ならばとは、それならばと言う意味ですので、同様に別れ際に使われる『それじゃーねー』が現代語訳で、『然様なら』は古語に近い分類になりそうです。

『只今』

これは予想がつくと思います。
「只今帰宅しました」「只今参ります」
どちらも現代でも使われている表現です。

おやすみなさい

自分がこれから寝るのに、相手に向かって命令形なのはおかしいと思い知らべてみました。
どうやら語源は、宿屋の主人が宿泊客に向かって「ゆっくりとお休みになってください」と言ったものが変化して今の形になったと言うようです。

頂きます・ご馳走様

「頂きます」の漢字「頂」は上に掲げると言う意味があります。
食べると言う行動は、本質的に命を食べることになります。
それ故、頭の上に食材を掲げて感謝すると言う意味で「頂きます」と言うようです。

これに対して「ご馳走様」の中にある「馳走」と言う漢字はあちこち走り回ると言った意味があります。
現代のように様々な食品が流通していなかった時代、豪華な食事を作るためには方々走り回って買い物をする必要があったようです。
そういったもてなしに対する感謝として
ご苦労様でした=ご馳走様でした
となったようです。

有難うございます

漢字で書くと分かりやすいですね。
有難い=めったにない・なかなかない
相手に何かしてもらった時に「今していただいたことはなかなか出来ることではない」
のような意味合いが語源のようです。

納得のいかない慣用表現

申し訳ありません

謝るときの表現ですが、この表現ちょっと納得いきません。
申し訳ありませんと言う言葉は、申し訳(言い訳)+ありませんと言う意味のはずです。

これって謝る表現なんでしょうか?

弁解のしようもありません

これも一緒ですね、申し訳ありませんとほぼ同じ意味です。

どうやら日本人はストレートに謝ることが苦手な民族のような感じもします。
ですが、これらも『こんにちは』などと同様省略されたもので本来は
「言い訳のしようもありませんが、お詫びいたします」
が省略されたものなのかもしれません。

変化する言葉と慣用表現

今あげたものを見ていくと、もともと長かったものが省略されていくことで日常で使われる慣用表現になって行ったもののように思われます。

『こんにちは』などは学校の教科書で取り上げられるのが広まった契機であると言うのも興味深いですね。

もしかしたら、『新年明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いします。』といった言葉も『あけおめ、ことよろ』にとって代わられる時代が来るのかもしれません。

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